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2006年10月16日 (月)

男はつらいよ 第34作 寅次郎真実一路

NHK-BSで放送されている、男はつらいよ あゝ失恋48連発の第34作。

10/14/06の放送は、「第34作 寅次郎真実一路」。昭和59年=1984年12月の公開。

マドンナは、大原麗子。高度成長期のモーレツ証券マン、しかも中間管理職の課長である富永(米倉斉加年)の妻「ふじ子」役。

その富永が、寅さんと焼き鳥屋で、知り合い意気投合し、その富永の家に酔っ払って転がりこむ。その富永の家で、「ふじ子」と出会う。

ある日、その富永が、蒸発して行方不明となる。その内にその人妻「ふじ子」に惹かれていく自分に気付く寅さん。その富永を鹿児島まで一緒に探しに行くなど、心配して寅さんが、あれこれ世話を焼く。

鹿児島のとある宿での会話。

ふじ子「あの綺麗な海や静かな温泉を見た時、わたし・・今まで気が付かなかった主人の心の奥の方を覗いた様な気がしたの。」
寅さん「・・そうですね。本当に課長さんはいい人だから。」
・・・
ふじ子「そうねぇ。いい人だったのねあの人。・・・寅さん。」
寅さん「はい。」
ふじ子「私、覚悟しているわ。どんなことが起きても。」
寅さん「そんな事はねぇ。奥さんの旦那さんは、きっと生きているよ。たとえどんな事があったって、俺、必ず探し出してみせるから、なぁ。」
ふじ子「そんな、気休めなんて言わないで。」
寅さん「奥さん」とそっと肩に手を触れる。

そこへ宿屋の女将さんが、タクシー運転手が寅さんを呼びに着たと告げる。

ふじ子「何処に行くの。」
寅さん「さっきの運転手の家に泊めてもらうってことを約束しましたんでね。」
ふじ子「どうしてそんな遠慮するの。もう一つ部屋を取れば良いじゃないの。」
寅さん「好きであんなやつの所に泊まりに行く訳じゃありません。旅先で、妙な噂がたっちゃ、課長さんに申し訳ないと思いまして。」
ふじ子「つまんない、寅さん。」 (あ~、何で女性はこんなセリフを言うのだろう・・・男はつらいよ!)
寅さん「奥さん、俺は、汚ねぇ男です。ごめんなすって。」

己が醜い。俺は醜いと悩む、純情可憐な男、寅さんである。
人妻に惚れ、恋する余り、蒸発しているご主人が帰ってこなければ良い、そんな事を心の何処かで願っている自分に気付いて、ぞっとする。

「自分の醜さに苦しむ人間は、もう醜くはありません。」と言う、博の言葉は重い。

恋物語と同時に、重要な事は、高度成長期の日本から失われていく、古き良き日本の風景、文化への山田監督の思いであろう。

あ~、男はつらいよ!


~寅さんのアリアから~
寅さん「花に例えれりゃ、薄紫のコスモスよ。・・・あーぁ、もったいねぇ。」

寅さん「博、その課長さんな、朝何時に家を出ると思う、お前。6時だよ。7時半には会社でもって会議だ。お前は朝、何時に家でる。」
博「9時10分前かな。僕の場合、5分もあれば工場に着きますから。」
寅さん「おー、ま、月給の安いことに文句は言えないな。」
寅さん「毎晩必ず残業だ。早くて10時、遅くて家に帰るのが真夜中の12時から1時だ。ひと言も口をきかず、ずぅーっと風呂に入る。ころっと寝る。あぁー、勿体ない。」
博「何故ですか。」
寅さん「鈍いやつだな。あんな綺麗な奥さんがいながら、旦那はろくにその顔を見る時間も無いということなんだぞ。」
さくら「だって、しょうがないじゃない。」
寅さん「しょうがなくはなんかないよ。仮に俺があんな綺麗な奥さんをもらったといしたらだな、」
おいちゃん「もらえるわけねぇだろう。」
寅さん「仮に、と言っているだろう。」
おいちゃん「あ、ごめんごめん、悪かった。」
さくら「仮にそういう奥さんをもらったら、お兄ちゃんならどうするの。」
寅さん「俺?一日中、その顔をじーっと見てる。」

寅さん「台所で洗い物をしている、そのきれーなうなじを俺は見つめている。針仕事をする。白魚の様な綺麗な指先を俺はじーっと見惚れる。買い物なんかだってついていっちゃうよ。八百屋で大根を値切っているその美しい声音に思わず聞き惚れる。夜は寝ない。すやすやとかわいい寝息をたてるその美しい横顔をじぃーっと見つめているなぁ。俺は寝ない。」

おいちゃん「第一、どうやって、お前、食っていくんだい。」
寅さん「いいんだよ、食わなくたって。あんな綺麗な人と暮らせたら、腹なんか空かないんだよ。」


蒸発して行方不明となった課長さんを、北海道に探しに行くという寅さんに対して、

博「しかし、万一の事態が起きた後のことを冷静に考えておくのが兄さんの立場じゃありませんか。」
寅さん「後のこと?何だ、それ?」
博「夫を亡くした奥さんの悲しみが、どれほど深いものか、想像してご覧なさい。」
寅さん「そうかぁ・・・」(ぺペン)

寅さん「まず、筵を取る。ご主人に間違いありませんか。そうですかぁ。・・・まず、葬式かぁ。これは身内だけでいい。初七日。四十九日。・・すぐ一年経っちゃう。」

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