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2006年11月19日 (日)

男はつらいよ 第39作 寅次郎物語

NHK-BSで放送されている、男はつらいよ あゝ失恋48連発の第39作。

11/18/06の放送は、「第39作 寅次郎物語」。昭和62年=1987年12月の公開。

この作品は、人の情において、とても「切なく」、且つ人間とは何か、人の幸せとは何かを問う「哲学的」な作品。要所要所に笑いと涙のシーンを配置し、秀逸な作品ではないかと思う。奇しくも、今、丁度、チャップリン映画も観ているが、そのチャップリン映画と重ね合わせて観ると、面白い。

いわゆるマドンナは、隆子役の秋吉久美子。しかし、その他に、五月みどりが特別出演したり、河内桃子も出ていて、重要な役を演じてます。

今回は、寅さんが、「お父さん」と呼ばれる。寅さんが「お父さん」と呼ばれるのは、初めてではないだろうか。

また寅さんのアリアが満載で、その内容も冴えている!

いつものセリフの引用は、まず哲学的なところから。




満男の教育-大学進学問題で悩む諏訪家。

 「秀吉君に比べれば、うちの満男は、幸せなんだけどなぁ・・・。いや、何が幸せか、それが問題か。」


死んでしまった「般若の雅」の位牌に向かって

寅さん 「どんな人間でも、取り得があって、悲しまれ、惜しまれ、死ぬんだよ。お前が死んだって悲しんだのは、お前、サラ金の取立てだけだった、というじゃねぇかよ。まったく、なぁー、情けねぇな。たった一度の人生をどうしてそう粗末にしちまうんだ、え、お前は何の為に生きてきたんだ。何?、てめぇの事を棚に上げてる?当たり前じゃないか。そうしなきゃ、こんな事言えるかい。」


御前様 「良かった、本当に、良かった、仏様が寅の姿を借りて、その子を助けられたのでしょうな。」、「仏様は愚者を愛しておられます。もしかしたら、私の様な中途半端な坊主より、寅の方をお好きじゃないかと、そう思う事がありますよ。」


満男 「人間って何の為に生きているのかな?

寅さん 「んなぁー、お前、難しい事聞くな。なんていうのかな、あー、生まれてきて良かったなぁ、と思う事が、何べんかあるじゃない、ねぇ。その為に人間生きているんじゃないのか。」

満男 「ふーん。」

満男 「その内、お前にもそういう時が来るよ。ん、頑張れ、な。」





本作品は良いセリフが豊富。それは「続きを読む」でどうぞ。

あ、男はつらいよ!


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寅さんのアリア - 今回も名アリアがあります。




天王寺駅の派出所にて

寅さん 「一つだけ贅沢言わしてもらうとね、女中さんがな、夜の10時ごろになると、『うち、パートやさかい、これで失礼します。』、ああいう所はやめて欲しい。俺ね、寝る前にね、熱燗で、きゅーっと一杯やりたい、うん。おかずなんて、これゃ烏賊の塩辛でいい。寝巻きの上に、色っぽい羽織なんかちょっと引っ掛けて、女中さんが、お盆片手にすぅーっと入ってくる。『お待ちどうさま。』、『いや、いいんだよ、こんな遅く悪いね。』、『いいのよ、どうせ私、宵っ張りだから。さぁ、おひとついかが。』、『うん。じゃ、貰おうか。お前もどうだ一杯。』、『あ、そう、嬉しい。じゃ、頂いちゃおうかしら。』、ふふふ、そんな風な感じで、一泊千円くらいの旅館無いかね、お廻りさん。」


旅館の部屋で晩酌しながら、「般若の雅」の位牌に向かって語るシーン

寅さん 「どんな人間でも、取り得があって、悲しまれ、惜しまれ、死ぬんだよ。お前が死んだって悲しんだのは、お前、サラ金の取立てだけだった、というじゃねぇかよ。まったく、なぁー、情けねぇな。たった一度の人生を、どうして、そう粗末にしちまうんだ、え、お前は何の為に生きてきたんだ。何?、てめぇの事を棚に上げてる?当たり前じゃないか。そうしなきゃ、こんな事言えるかい。」

隆子と知り合い、一晩中、寝ないで看病してくれた隆子に、思いを寄せて、旅館の部屋で

寅さん 「お前と母さん連れて柴又に帰る。さくらが聞くな、『お兄ちゃん、どうしたの?』、『うん。ま、俺もいろいろ考えたけれども、秀吉は俺の息子とすることにしたよ。』、『あら、そう、良かったわね。でも、その後にいる美しい人は誰?』なんて聞かれたら、俺、何て答えたらいいかな。な、おい。え?よ、ほれ。なんだよ、寝たのか。」


とそこに寝巻き姿の隆子が部屋に入ってくる。
寅さん 「なんだよ、まだ起きていたのか。」

隆子 「私って、宵っ張りなの。」

これはアリアではないが、ある意味強烈なセリフなので、ここに入れてみる。

秀吉と別れるシーン

寅さん 「秀、いいか、よーく聞くんだぞ。おじさんはな、お前のあのろくでなしのおやじの仲間なんだ。いい歳をして、おっかさんの世話もみねぇ、子供の面倒もみねぇ、そんなお粗末な男に、お前、なりてぇか?なりたくないだろう、秀。だったらな、このおじさんの事なんかは、とっとと忘れて、あのかあちゃんと二人で幸せになるんだ。分かったな。」

柴又に戻った寅さんがまた旅に出るシーン、さくらに向かっていうセリフ

寅さん 「働く?何言ってんだお前は。働くっていうのはな、博みてぇに、女房の為、子供の為、額に汗して、真っ黒な手して働く人達のことを言うんだよ。俺たちゃ、口からでまかせ、インチキくさいものを売ってよ、客も承知でそれに金を払う。そんなところでおまんま頂いてんだよ。




寅さんがマドンナに「お父さん」と呼ばれるシーン



隆子 「あ、お父さん」
寅さん 「はい」
隆子 「帳場に寄って、タオル何枚か届ける様に言うて。」
寅さん 「うん、母さん、あと頼んだぜ。」

寅さんとマドンナの会話 - これも味のあるセリフ



隆子 「ほんと言うとね、お父さん。昨日の晩、男と二人で泊まるはずだったの。向こうに用事ができて断ってきたんで、勝手にしろと喧嘩してしもうて。もう、どうにでもなれって。旅館の窓から崖に飛び込んで、死んでしまおうか・・・、そんな事思うてたの。」
寅さん 「死ぬなんて言葉、簡単に口に出さなぇ方が良いよ。な。母さんの様な綺麗な人との約束、簡単に破る様なやつは、どうせろくな男じゃねぇや。」
隆子 「そうね。でも今は、本当にあの男が来なくて良かった、そう思っているの・・・。だって、もしあいつが来てたら、父さん達が隣の部屋で何してようと関係なく、くだらない時間を過ごしていたに違いないもんね。」
寅さん 「そういうもんかね。」

隆子 「チアノーゼっていうのかな、あの子の唇が紫色になって、目がとろーんとして、名前呼んでも返事しなくなったでしょう。わたし、恐ろしくて。身体が震えてきて、何していいか分からない、ただ部屋の隅で、両手合わせて、神様、仏様、キリスト様、どうかこの子の命をお助け下さい。この子の命が助かったら、私、酒でも煙草でも男でも断ちますから、そうお祈りしとったの。」
寅さん 「ほぉー、偶然だなぁ。俺もね、女断ちますからって、そうお祈りしてたんだよ。」
(思わず噴出す隆子。)
隆子 「お祈りが通じたかもしれんね。ほら、明け方、あの子が喉渇いたと言うたでしょう。唇みたら赤い色がさしてて、あー良かった!助かった!そう思うた時、あの子の命だけじゃなくて、自分の命まで取り返した様な、胸の奥から冷たくてきれーな水が、音をたてて溢れてくる様な、そんな幸せな気持ちがしてね。」(と涙する隆子)
寅さん 「ありがとうよ。秀吉のおとっつぁんも、きっと草葉の陰で涙流して喜んでいるよ。ありがとう。」

隆子 「いつか父さんに会いたくなる時が来るやろうな。」
寅さん 「俺ゃ、一年中、旅暮らしだから、いつだって会えるよ。」
隆子 「ほんと?」
寅さん 「あーほんとさ」
隆子 「じゃその時まで男断ちして待っていよう。」
寅さん 「あー、俺も、女断ちして待っているよ。」
二人は笑うが、笑いながら隆子は、泣き崩れていく。
隆子 「あー(泣く)。」
寅さん 「どうした?」
隆子 「あたし、粗末にしてしまったのね、大事な人生なのに・・・。」
寅さん 「大丈夫だよ。まだ若いんだし、な、これからいい事一杯待っているよ。な。」
隆子 「そうね、生きてて良かった・・・、と思える様な事がね。」

笑えるシーン - 他にも笑いが満載

タコ社長が、「とらや」にいつもの通り、やってきて、その社長の目の前で、「秀吉」に「さくら」が何気なく訪ねるシーン。
さくら 「たこ、食べる?嫌い?」(と、茹でた蛸を指しだす。)

菊田 「お母さん、お尻出しなさい。」(と秀吉のお尻を診ようとする菊田医師)
隆子 「お尻?」
菊田 「あんたのお尻じゃない、子供のお尻じゃよ。なんちゅう母親なんじゃろ、ほんまに。」
(すると隆子は、自分の側で子供のお尻を出そうとする。)
菊田 「あんたが尻、みたってしょうがない。わしに診せるんだ。」

宿泊先の旅館に電話を掛けると女の人が出る。
さくら 「空耳かしら。最初に女の人が出てね、お父さんと呼んだの。そしたら、お兄ちゃんが、『あいよ!』って返事して出てきたの。
 「たまたま女中さんがいたんじゃないのか。」
さくら 「あ、そっか。」
 「そうだよ、びっくりしたよ。おどかさないでくれよ。」
さくら 「でも、お兄ちゃん電話の途中で、『母さん』と呼んだわ。そしたら、女の人の声で『はい』って返事があったけど・・・」
 「それこそ空耳だよ、しっかりしろ。」
さくら 「そうね。ここのところ、満男の受験の事や、あの坊やの事で頭が混乱しているから。」
 「うん。」
さくら 「うそー!言ったわよ、確かに。」
 「じゃ、もう一度掛けてみて、確かめれば良いじゃないか。いいよ、俺掛けよう。」
旅館の主人 「はい、翠山荘です。あ、車さん?あ、ついさっき、買い物に行くとか言うて、出かけましたけれども、奥さんと二人で。」

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