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2006年12月10日 (日)

男はつらいよ 第42作 ぼくの伯父さん

NHK-BSで放送されている、男はつらいよ あゝ失恋48連発の第42作。

12/9/06の放送は、「第42作 ぼくの伯父さん」。平成元年=1989年12月の公開。
「ゴクミ・シリーズ」の第1弾。

今回は、「満男」( 吉岡秀隆 )と、「ゴクミ」こと、後藤久美子、演じる「泉」との恋物語。そこに寅さんの恋愛指南が展開され、一方、諏訪家(博、さくら、満男)での親子関係・家族模様が描かれている。
今回は、「さくら」( 倍賞千恵子 )も大活躍です。

壇ふみ夏木マリ尾藤イサオ等も出演しています。

物語は、満男が高校の後輩である「泉」に想いを寄せ、勉強も手に付かず、親子喧嘩した上で、家出して、今や離れ離れになった「泉」のいる佐賀まで、追いかける形。

冒頭 諏訪家でのやりとりが面白い。良くある家庭の状況ではないだろうか。長いセリフだが、「続きを読む」に引用しています。


題名通り、「ぼくの伯父さん」、寅さんと満男のやり取りも、粋で、ぐっとくる。
まず、酒の飲み方を指南する寅さん。アリア風の説明が粋で良いですなぁ。

寅さん 「何だ、おい。酒の飲み方から教えなきゃなんないのか。」
満男 「どうやって飲むの。」
寅さん 「どうやって? いいか。先ず、片手に盃を持つ。酒の香りを嗅ぐ。なぁ。酒の臭いが鼻の芯にじーんと染みとおった頃、おもむろに一口飲む。さぁ、お酒が入っていきますよ、ということを、五臓六腑に知らせてやるんだ。なぁ。そこでここに出ているつき出し。これを舌の上に・・ちょこっとのせる。これで酒の味がぐーんと良くなるんだ。それから、ちびりちびり・・だんだん酒の酔いが身体に染み通っていく。それを何だお前。かけっこをしてきたやつが、サイダーを飲むみたいに、ぐぅーっと飲んで。胃袋が驚くよ、それじゃ。判ったか。」



続いて、親にも言えない悩み事、恋の悩みを聞き出す寅さん。さすが、寅さん、格が違う。

寅さん 「恋をしているのか、お前は。へぇーー。この間まで、飴玉一つやれば喜んで飛んでくるガキだと思っていたのに。はぁー。恋をする歳になったか。」
満男 「違うよ、伯父さん。俺のは、恋なんかじゃないよ。」
寅さん 「ほぉ、どう違うんだ。」
満男 「だって、恋というのは、美しい人を美しく思うことだろう。」
寅さん 「その通り。」
満男 「でも俺のは、ちっとも美しくなんかないよ。不潔なんだよ。・・だって俺、ふと気付くと、あの子の唇とか胸とか、そんな事ばっかり考えているんだよ。俺に女の人を愛する資格なんか無いよ。」
寅さん 「お前は正直だな。偉い!さすがは博の息子だ。」
満男 「俺のどこが偉いんだよ。調子のいいこと言うなよ。」
寅さん 「まぁ、聞け。・・俺はな、学問というものが無いから上手いことは言えねぇけど、博がいつか俺にこう言ってくれたぞ。『自分を醜いと知った人間は、決してもう醜くねぇ』って。な、・・考えてみろ、田舎から出てきて、タコの経営する印刷工場で職工として働いていたお前の親父が、三年間、じーっと、さくらに恋をして、何を悩んでいたか。今のお前と変わらないと思うぞ。そんな親父を不潔だと思うか。」
満男 「やっぱり伯父さんは、苦労してんだなぁ。」
寅さん 「すこーし、気持ち、楽になったろ。」

この「自分を醜いと知った人間は、決してもう醜くねぇ。」は、第34作「寅次郎真実一路」からの引用でもある。



「泉」が世話になっている佐賀の家で、「泉」の叔父さんになじられた時に、寅さんが毅然として言うセリフ。ここでも寅さんのダンディズムが出ている。

「私の様な出来損ないが、こんな事を言うと笑われるかもしれませんが、わたくしは、甥の満男は間違ったことをしていないと思います。馴れない土地へ来て、淋しい想いをしているお嬢さんを慰めようと、両親にも内緒で、はるばるオートバイでやってきた満男を、わたくしは、むしろ、良くやったと褒めてやりたいと思います。」



小野小町伝説 「深草の少将」や、舞台となった佐賀・鍋島藩の歴史、「葉隠」の話しが、散りばめられていて、観る人の素養が試される。

もちろん、いつもの「笑い」のシーンも健在。
満男が家出をした時のシーンは、大笑い。

 「馬鹿!親不孝の『孝』の字が間違っている!」    ( 「旅に出ます。親不をおゆるし下さい。御両親様。」 )



満男が帰って来ると聞き、町内の皆が集まってくる。料理、お酒、拍手と賑やかな柴又の町内の皆。そこへ寅さんが一人、旅先からの電話が入る。賑やかな柴又の風景との対比で、哀しい。   「旅をすれば、人間誰でも、賢くなる。ま、中にはそうじゃないやつもいるけどね」 寅さん自身、自分言うセリフでもある。

この「ゴクミ・シリーズ」の続き、人が成長していく姿が期待される。

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満男と両親の関係が、良くある家庭の状況として、上手く描かれている。そのシーンから引用。
子供は、先ず母親と話しをする。

満男 「父さんに話してくれた、旅行のこと。」
さくら 「自分で話したらいいでしょう。あたしは、あんたの通訳じゃないんですからね。」
満男 「俺が言ったって、反対するに決まっているだろう。」



さくら 「満男、手紙来ているわよ。」
満男 「どこ?」
さくら 「及川泉さん、良く来るわねこの子から。」
満男 「何で、いちいち俺の手紙しらべるんだよ。」
さくら 「いいじゃないの。可愛い封筒だから、つい、名前見ることだってあるでしょ。そしてら、卒業アルバムに載っていた綺麗な子の名前だから、この子から来たのかって。」
満男 「そんなことまで干渉するなよ!俺のプライバシーなんだからな!」
さくら 「満男!何て言う口のききかたをするの!あんた浪人しているから、あたしや父さんがどんなに気を遣っているか、あんたにはわかんないの!」
満男 「気なんか遣わないでいいよ!」
さくら 「じゃ、どうすればいいの、口きかなければいいの!」
満男 「自由にさせてくれりゃいいんだよ!」
さくら 「させているじゃないの!」
満男 「させてなんかいないよ!俺は監視されているんだからな、朝から晩まで。」
さくら 「あー、あきれた。」
満男 「俺の自由なんで、猫の額ほどだよ。」
さくら 「なんて事いうのよ!」
そこへ「博」が仕事から帰ってくる。
 「いい加減にしろよ。表まで聞こえているぞ。」
さくら 「博さん、聞いて。この子ったらね、あたしたちに監視されているって・・満男!待ちなさい!」
 「揉め事は、あとからにしてくれよ。俺は疲れて帰ってきてるんだから。」
さくら 「ね、そんな事言わないで、ちゃんと話し合ってちょうだいよ。いい機会なんだから。」
 「母さんに謝れ。お前が悪い。」
満男 「何で言い訳も聞かないで、そんな事言うんだよ。」
 「最近のお前の態度は問題だぞ。」
満男 「俺が何したって言うんだよ。」
 「自分に聞いてみろ。先、風呂入る。」
満男 「あー、むかつくなー。」
さくら 「満男!あんたがそういう態度ならね、もうご飯なんか作ってあげないからね!・・・もう・・・あ、腹が立つ!」


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