« 山田監督(BlogPet) | トップページ | 男はつらいよ 幻の第49作 »

2007年3月11日 (日)

男はつらいよ 第15作 寅次郎相合い傘

「男はつらいよ」後半24作の中からアンコール放送が決まったが、私は、前半24作から、自分でアンコール、録り溜めていたものから、ピックアップした。やはりリリーが出演している、そして、山田監督にお気に入りである第15作「相合い傘」を約1年振りに観た。うーん、やはりこれは名作である。

後半24作の途中から始めたセリフ起こしをこの第15作でもやってみる。リリーのテーマ曲もアップした。セリフ起こし部分は「続きを読む」でどうぞ。

小樽にて、旅の相棒「パパ」こと「兵頭」が、初恋の人の様子を見に行くところで、リリーが言うセリフ。

リリー 「いい歳して甘ったれだね、男なんて。」
寅さん 「え、どうしてよ。」
リリー 「だって、そうじゃないか。30年前の男が現れてどうのこうの言ったって、女にしてみれば迷惑な話だよ。陰気なおじさんのツラ見てがっかりするだけじゃないの。」
寅さん 「ほー、お前も、夢の無い女だね。」
リリー 「夢じゃ食えないからね。」


初恋の人と会っては見たものの、出張のついでだと、素っ気なく、後にしてしまった兵頭に向かって。

寅さん 「しかし、向こうも、亭主と別れた後の話をしたかったんじゃないかな。それをすぐ、はいちゃいじゃ、つれねぇんじゃねぇの。」
兵頭 「いえ、それでいいんです。それで。・・・仮にそんな話しがあったとしても、今の僕に何が出来るんだ。僕って男は、僕って男は、たった一人の女性すら、幸せにしてやることもできない。駄目な男なんです。」
リリー 「気障ったらしいね、言うことが。」
兵頭 「どうしてです?」
リリー 「幸せにしてやる?大きなお世話だ。女が幸せになるには、男の力を借りなきゃいけないとでも思っているのかい?笑わせないでよ。」
寅さん 「でもよ、女の幸せは、男次第だっていうんじゃないのかい?」
リリー 「へぇー、初耳だね。あたし今までに一度だってそんな風に考えたことないね。もし、あんた方がそういう風に思ってるんだとしたら、それは、男の思い上がりっていうもんだよ。」
寅さん 「へぇー、お前も何だか、可愛げの無い女だな。オイ。」
リリー 「女がどうして可愛くなくちゃいけないんだよ。寅さん、あんた、そんな風だから、年がら年中、女に振られてばっかりいるんだよ。」
寅さん 「オイ、リリー、お前、言っていい事と悪い事があるんだぞ。」
リリー 「だってほんとだろう。」
寅さん 「じゃ、俺も言ってやるよ。何だ、お前、すし屋の亭主と別れてやったなんて、体裁のいい事ばっかり言いやがって、本当は、てめぇ、捨てられたんだろう。」
リリー 「・・・・寅さん、あんたまで、そんなことを・・・あんただけは、そんな風に考えないと思っていたんだけどね。」
兵頭 「ごめんなさい。僕の為にこんなことになって・・・」
リリー 「うるさい!あたし帰る。さよなら!」


寅さんの名アリア

寅さん 「俺にふんだんに銭があったらなぁ。」
さくら 「お金があったら、どうするの?」
寅さん 「リリーの夢を叶えてやるのよ。例えば、どっかの一流劇場、な、歌舞伎座とか、国際劇場とか、そんな所を一日中借り切ってよ、あいつに好きなだけ歌を歌わせてやりてぇのよ。」
さくら 「そんなの出来たら、リリーさん、喜ぶだろうね。」
寅さん 「うーん。ベルが鳴る。場内がすぅーっと暗くなるな。『皆様、大変長らくお待たせをば致しました。ただ今より、歌姫、リリー松岡ショーの開幕ではあります』。静かに緞帳が上がるよ。スポットライトがぱぁーっと当たってね。そこにまっちろけなドレスを着たリリーがすぅーっと立っている。あれは、いい女だよ。え、あれは、それでなくたって、ほら様子がいいしさ、目だってぱちっとしているから、派手るんですよ、ねぇ。客席が、ざわざわざわざわっとしてさ、『綺麗ね』『いい女だな』『あ、リリー!待ってました!日本一!』。やがて、リリーの歌が始まる。『ひとり酒場で飲む酒は♪』。ねぇ、客席は、しーんと水を打った様だよ。みんな、聴き入っているからな。お客は泣いてますよ。リリーの歌は悲しいもんねぇ。やがて歌が終わる。花束、テープ、紙吹雪、わぁーっと、割れる様な拍手喝采だよ。あいつはきっと泣くな。あの大きな目に、涙が一杯溜まってよ。・・・いくら気の強いあいつだって、きっと泣くよ。」


メロン騒動でのリリーのセリフ

リリー 「寅さん、あんたちょっと大人げないわよ。」
寅さん 「ほー、なんだい、身内ばっかりだと思ったら、一人、お他人様がいたんだな。」
リリー 「何言ってんだい。さっき、この家は自分の家と思え、とそう言っただろ。」
寅さん 「お前、一体、何が言いたいんだよ。」
リリー 「言ってもいいのかい。」
寅さん 「言ってみりゃいいじゃねぇか。」
リリー 「じゃ、言うけどね。冗談じゃない、って言うんだよ。俺のことを勘定に入れなかったの、心が冷てぇだの、そんな文句の言える筋合いかい。ろくでなしのあんたを、こんなに大事にしてくれる家がどこにあるかっていうんだい。あたし、羨ましくて、涙がでちゃうよ。本来ならね、いつも御心配をお掛けしています、どうぞメロンをお召し上がり下さい、あたしは要りませんから、あたしの分も、どうぞ、とこういうのが本当だろ。甘ったれるのもいい加減にしやがれっていうんんだい。」
寅さん 「かー、憎たらしい口ききやがって、これでも女でしょうか。」
リリー 「男でなくて悪かったね。」
寅さん 「たいしたもんだよ。なんでぇ、てめえのツラなんか二度と見たくもないやい!」


寅さんが、雨の中、駅でリリーの帰りを待っていると。

リリー 「迎えに来てくれたの?」
寅さん 「馬鹿やろう、散歩だよ。」
リリー 「雨の中、傘さして散歩しているの?」
寅さん 「悪りぃかい。」
リリー 「濡れるじゃない。」
寅さん 「濡れて悪いかよい。」
リリー 「風邪ひくじゃない。」
寅さん 「風邪ひいて悪いかい。」
リリー 「だって寅さんが風邪ひいて寝込んだら、私、つまんないんもん。」



さくらがリリーに、おにいちゃんのお嫁さんであったらというシーン

さくら 「実はね、これ、あの本当に冗談だから、怒っちゃいやよ。」
リリー 「分かったから、早く言って。」
おばちゃん 「ほんとだよ。いいなさいよ、こっちまでイライラしちゃうじゃないの」
リリー 「ねぇ、おばさん。」
さくら 「じゃ、言うけどね、リリーさんがね、・・お兄ちゃんの奥さんになってくれたら、どんなに素敵だろうなって、・・ねぇ、冗談よ、これ。本当に冗談よ。」
リリー 「・・・」
博 「気にしないで下さい。夢みたいなこと、二人で話ていただけですから。」
リリー 「いいわよ。」
さくら 「え?」
リリー 「あたしみたいな女で、良かったら。」
さくら 「あの、いいって。・・まさか、お兄ちゃんの奥さんになっていいってことじゃ・・」
リリー 「そう。」
博 「ほんとですか?」
さくら 「どうしよう、博さん。おばちゃん、聞いた?」
・・・・・
さくら 「お兄ちゃん、大変よ、リリーさんがね・・」
寅さん 「リリーがどうかしたのか、何だ?」
さくら 「違うのよ、リリーさんがね結婚してもいいって。」
寅さん 「結婚?誰と?」
さくら 「お兄ちゃんとよ。」
寅さん 「俺と?」
さくら 「リリーさんがね、お兄ちゃんと結婚してもいいと言ってくれたのよ。良かったわね。」
寅さん 「・・ふ、何言ってんだ、お前、真面目な顔して、え。あんちゃんのこと、からかおうって言うのか。」
さくら 「からかっているんじゃないわよ、お兄ちゃん。」
寅さん 「オイ、リリー、お前も悪い冗談やめろよ。え。周りは素人だから。え、皆、真に受けちゃっているじゃないかよ。いいから、お前、博、だまっていろ。オイ、リリー。」
リリー 「何?」
寅さん 「いいから、ちょっとこっち来いよ。・・お前、本当に冗談なんだろ?・・え?・・・」
リリー 「・・・・そう!冗談に決まっているじゃない。」
寅さん 「そうだろう。ほらみろ、冗談じゃないか。」
さくら 「でもね、お兄ちゃん。」
リリー 「それじゃ、あたし。」
寅さん 「オイ、どこ行くんだい。」
リリー 「帰るの。皆さん、お世話になりました。バイバイ。」
さくら 「お兄ちゃん、リリーさん、嘘ついたのよ。リリーさんはね、本気でお兄ちゃんと結婚すると言ったのよ。冗談なんかじゃないのよ。」
博 「追いかけていくべきですよ。そしてもう一度リリーさんを・・」
さくら 「ねぇ、そうしたら。」
博 「駅の方ですよ。」
さくら 「どうしたのよ、お兄ちゃん。」
・・・・・・・・
さくら 「どうしたの。どうして追っかけていかないの。お兄ちゃん、お兄ちゃん、リリーさんのことが好きなんでしょう。」
寅さん 「もう、よせよ、さくら。・・・あいつは頭の良い、気性の強い、しっかりした女なんだよ。俺みてぃな、馬鹿とくっついて、幸せになれるわけゃねぇだろう。」
・・・・・・・・
寅さん 「あいつも俺とおんなじ渡り鳥よ、腹すかせてさ、羽怪我してさ、しばらくこの家に休んだまでのことだ。いづれまた、ぱっと羽ばたいて、あの青い空へ。な、さくら、そういうことだろう。」
さくら 「そうかしら。」


|

« 山田監督(BlogPet) | トップページ | 男はつらいよ 幻の第49作 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/120915/14129100

この記事へのトラックバック一覧です: 男はつらいよ 第15作 寅次郎相合い傘:

« 山田監督(BlogPet) | トップページ | 男はつらいよ 幻の第49作 »